ろうそくの炎
ろうそくはママを思い出せなくなるだろう女の子と、女の子のわすれられてしまうだろうママが、つらくてしょうがありません。



どうすれば、ゆるされるのでしょうか。


いいえ、もしこの世の人々がろうそくをわるくないと言っても、ろうそくは自分をゆるすことができないのです。



ろうそくが女の子にあやまると女の子は笑顔で言いました。



「いいよ。ろうそくはわるぎがあったんじゃないんだもの。だれも、わるくないよ」



だれもわるくないのなら、なぜ女の子はかなしんでいるのでしょうか?


だれもわるくないからこそ、女の子のきもちはだれにもぶつけられないのでしょうか?



そしてろうそくは小さな、とても小さな炎でまっくらな家を明るくしました。
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