届かない想い
そして、軽々と人だかりの中に入っていく嘉那に連れられて、あっという間にクラス表の前までやってきた。
「よし!同じクラスだといいね♪」
そう笑って、嘉那は私を置いて自分の名前を探しに行ってしまった。
…一緒に見に行こうって言ったの嘉那からなのに~…
なんで、私を置いていくのよぉ~。
……
はぁ、心の中で叫んでも仕方がない。
私も自分のクラスを探そう…
私は何組だろう?
嘉那と同じクラスがいいなぁ…
あと、あの人とも同じクラスがいいなぁ~。
あの人…、
それは津賀岡隆斗(ツガオカリュウト)君のことであり、私が今、好きな人である。
そんな淡い期待を持って私はクラス表を見た。