その先にあるもの…
chaptar-1

人気小説家の正体




私は今、あるマンションの前にいる。



『大きいなぁ…』



都内でも有数の高級マンション。



これから、その最上階に住む住人の元へと向かう。



三城 楓-ミキ カエデ-(23)



只今、一流出版社に入社して一年目にして大きな仕事を任せられております。



私がこれから向かうのは、今回担当を任せられた



榎本 葵-エノモト アオイ-(28)



5年前、『桔梗の花』という切ない恋愛小説が無名の新人ながら口コミで広がり、今や知らない人はいないだろう作家さんの家。



実は、私も榎本先生の大ファンだったりもする。



だから、今緊張で心臓が凄いことになっている。



でも、榎本先生は凄く厳しいということで社内でも有名。



今まで、かなりの人が泣かされて帰ってきて何人もの担当の人が辞退してるんだって。



しかも、なぜか、今まで担当になった人は綺麗な女の人たちでプライドが高そうな人達ばっかり。



社内でも、榎本先生の担当は綺麗な女の人じゃなきゃなれない、みたいな感じになってたくらいだし。




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