その先にあるもの…



そう、三島編集長こと、由貴兄は私のお母さんの弟に当たる人で私のおじさん。



おじさんを”由貴兄”って呼んでるのは、そう呼ばないと怒られるから。



あと会社にはこのことは内緒。



“せっかく自力でこの会社に入社出来たのに、それが俺の力で入ったみたいになったら、楓仕事しづらいだろ?”っておじさんが言ったから。



まぁ、実際おじさんも他の人と変わらず接してくれるし、仕事がやり易いんだけどね。



そんなこんなで由貴兄には会社でよくこき使われるんだけど…それを嫌だと思ったことはない。



だって、その仕事一つ一つが結構身になってるというか、由貴兄が私の為に用意してくれてる仕事だから。



でも、今回任された仕事は理解できない。



挙句の果てには、同じ部署のお姉さん方に睨まれる始末。



だったら、変わってほしいくらいだよ…



何が“三城だったら上手く榎本と付き合えると思ってな。”よ…



大きなため息をつきながら、マンションの入り口に入る。




< 3 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop