その先にあるもの…
そう、三島編集長こと、由貴兄は私のお母さんの弟に当たる人で私のおじさん。
おじさんを”由貴兄”って呼んでるのは、そう呼ばないと怒られるから。
あと会社にはこのことは内緒。
“せっかく自力でこの会社に入社出来たのに、それが俺の力で入ったみたいになったら、楓仕事しづらいだろ?”っておじさんが言ったから。
まぁ、実際おじさんも他の人と変わらず接してくれるし、仕事がやり易いんだけどね。
そんなこんなで由貴兄には会社でよくこき使われるんだけど…それを嫌だと思ったことはない。
だって、その仕事一つ一つが結構身になってるというか、由貴兄が私の為に用意してくれてる仕事だから。
でも、今回任された仕事は理解できない。
挙句の果てには、同じ部署のお姉さん方に睨まれる始末。
だったら、変わってほしいくらいだよ…
何が“三城だったら上手く榎本と付き合えると思ってな。”よ…
大きなため息をつきながら、マンションの入り口に入る。
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