その先にあるもの…



『うわ〜』



入り口に入ればそこは、どこかのホテルみたいな内装のエントランス。



高級マンションらしく、受付みたいな場所がある。



そこに座っていた、執事みたいな人が不思議な目で私を見ていた。



そりゃあ、地味なスーツをきて、一度も染めたことがない真っ黒な髪の毛を後ろでひとつに纏めただけの姿。



おまけに、ろくに化粧もしていない顔にめがねをかけた私。



こんな地味な私が、こんな高級マンションの入り口にいるなんて、おかしいもの。



この場にいるのが恥ずかしくなってきて、由貴兄から渡された鍵でオートロックを開けて急いで丁度止まっていたエレベーターに乗り込む。





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