キミが居た病院

 母親を心から愛している父親にとって、それは余りにも酷だな、と優香は思った。

 両親が仲がいい事はとても嬉しかったし、幸せそうな二人を見ていると幼いながらに憧れを抱いていたのだから。

「現実の世界で何かあったのかと思って不安でね。だから優香の夢にきたんだけど、やっと話せた」

「わ、私も! 遠くからいつも見てるだけで、そして嫌な気持ちになって……」

 父親はゆっくりと頷いた。

「言わなくても分かる。どうも邪魔をされているみたいなんだよね」

「邪魔?」

「優香を守る為に会いに来てるのに会えず。そしてパパが優香の夢に現れた時、心霊現象にあう確立が高い」


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