キミが居た病院
その日は、最初に心霊現象に遭った時よりも憂鬱な一日になった。
父親と会えた嬉しさよりも、怖さで頭が一杯になってしまう。
いつも以上に食事は美味しく感じられなかったし、大好きな美沙とのお喋りも頭に入らないし覚えていなかった。
そして――その日から秋人は来なくなった。
姿を見せないだけではなく、メールも、電話もこなかった。
「やっぱりパパが言ってた事は本当なのかな」
疑い始めてきたものの、やはり寂しかった。
それに秋人はそういう人じゃない、関わっていないと思いたかったし、心の底では信じていた。