キミが居た病院
第八章 黒い物体との接触
幸いな事にあれから心霊現象には遭わなかった。
きっと精神的な事が関係しているに違いないと優香は思った。
「もう十二月かー。今年ももうすぐ終わりだな…」
「ね、振り返ると一年って早いんだよね」
「そういえば病院ってよくクリスマス会みたいなやつあるじゃん?優香参加すんの?」
「しないよぉ! なんか浮かれてる場合じゃないし……」
この歳で参加するのは恥ずかしいと思ったし、それに実際そんな事に参加している場合じゃないのは確かだった。
あれ以来黒い物体には会わないものの、変な夢を見る様になっていたのだ。