キミが居た病院
「だってオレらが話してても結局分からないじゃん?」
「まぁ……そうだけど」
「いつまでも同じ事に捕らわれていると、掴めるものもつかめない。何も見えてこないぞ」
秋人の謎めいた発言に、ただ頷くことしか出来なかった。
分かるようで分からない――
だがはっきり言えるのはいつだって秋人が正しいという事。
「その嫌な感じの夢を何回も見るってのが問題だけど……優香はあまり考えないで」
「うーん、努力する」
「よしよし!」
秋人が笑顔で頭を撫でてくるので、恥ずかしすぎて顔を伏せてしまう。