キミが居た病院

「悪い悪い。でも可愛いのは本当だからさ!」

「いいよ、別に……」

「ごめんって。機嫌直して?」

 秋人が身を乗り出し、俯く優香の顔を覗き込んできた。

 綺麗な薄い茶色をした瞳に、少し長いまつげ。

 化粧をしたらそこらへんの女の子よりも可愛くなるんじゃないか、などと考えて気を紛らわす。


 そうでもしないと、見つめられているなんて考えたらのぼせてしまいそうだった。


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