キミが居た病院

「許してくれる?」

 意地悪そうな笑顔なのに、なぜか憎めなかった。

「……ん」

「さんきゅー!」

 秋人は笑顔でそう言うと、ソファーに戻り、またクッキーを美味しそうに食べ始めた。

「優香ダイエット中? せっかくオレ持ってきたのに」

「失礼な! 今日はちょっと食欲が無いだけだもん」

「ふーん? まー、ちゃんと優香の分残しておくからさ!」

「ありがとう。ってかさ、ちょっと聞いていい?」

「んー? 何ー?」

 秋人は、次にどのクッキーを食べようか品定めしながら答えた。


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