キミが居た病院

「ん、今度じゃだめ?」

 そして先ほどからなんだか落ち着きが無いように見える。

「お願い。もう、限界だよ」

 その言葉を聞いた秋人はクッキーを選ぶのをやめ、優香の目をまっすぐ見た。

「全て話すには……まだ早いからヒントでもいい?」

 優香は、彼の目を強い眼差しで見つめた後、‘うん’と小さく呟いた。

 そんな優香に観念したかのようなため息を吐いた秋人は、ふっと視線を逸らす。


「黒いのは、愛情と悲しみと怒りから産まれた者なんだ」



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