キミが居た病院

 考えたけれど、ヒントというだけあって全く答えに辿り着きそうもない。

「難しい、ね。愛や悲しみ……そして憎しみだなんて」

「一つ確かなのは、オレは好く思われてないって事。オレがここに居るのも、守るのも全て気に食わないらしい」


「え? 秋人君は何か……っいた……い」

 言いかけたその時、頭が割れそうなほどの頭痛に襲われた。

「チッ、こんな時にかよ!!」

 秋人が急いでこちらに来て、手を強く握ってくれる。

 その表情は怒っている様だが、確かではない。
 
 視界がどんどんぼやけてきて、目を開けるよりも閉じた方がラクになれそうだ。


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