キミが居た病院

言おうか言わないか、悩んだ。

秋人が本当に全て知っているか分からなかったし、これは言ったほうがいいのか迷ったからだ。

「優香?」

「……そのあだ名で私を呼んだのは……パパだけだったの」

秋人は何も言ってこなかった。

いや、何か適切な言葉を捜しているのだろうか?

「秋人君。あの……あの黒いのはパパだったの!? ねぇ!? 何か知ってるなら聞きたいよ!!」


すると――秋人は無理矢理笑顔を作って答えた。

「合っているようで、少し違う」

「じゃぁなんなの?」


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