キミが居た病院
第十章 父親
「ふわぁ……っ」
朝起きると、なんだか清々しい気分だった。
カーテンの隙間から漏れる優しい光を、もっと体中に浴びたいくらいだったが、それは控えた。
やはり、カーテンを開けるのは怖い。
テレビを付け、天気予報を確認すると、今日は一段と冷え込むらしかった。
「げぇー」
例え室内に居て、エアコン完備だとしても寒いと聞くと体が縮こまる。
だが、今日は久しぶりに中庭に出ようと思った。
――もちろん一人ではなく秋人とだが。