キミが居た病院
第十章 父親

「ふわぁ……っ」

 朝起きると、なんだか清々しい気分だった。

 カーテンの隙間から漏れる優しい光を、もっと体中に浴びたいくらいだったが、それは控えた。

 やはり、カーテンを開けるのは怖い。

 テレビを付け、天気予報を確認すると、今日は一段と冷え込むらしかった。

「げぇー」

 例え室内に居て、エアコン完備だとしても寒いと聞くと体が縮こまる。

 だが、今日は久しぶりに中庭に出ようと思った。


 ――もちろん一人ではなく秋人とだが。


< 201 / 246 >

この作品をシェア

pagetop