キミが居た病院

 ――ピピピピッ

 確認した優香は、体温計を思わず二度見してしまった。

「はいはい~どれどれ? ……おっ! 珍しい~」

「雪でも降ったりして」

「まっさか~。でも回復に向かってるって事かもしれないもん、いい意味で捉えようね~」


 それから美沙が出て行き、配膳係のおばちゃんが食事を置いていってくれる。

「まだ……信じられない。熱って事じゃなくて?」

 そう、いつもなら35度のはずなのに、今日は36度あったのだ。

 もしかしたら微熱かもしれない。

 美沙曰く‘心配するほどじゃない’という事だったのだが。


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