キミが居た病院


 ――おかしい。



 布が外されていたのだ。

 まさか美沙が外したとは思えない。

 あれだけ嫌がっていた優香を目の当たりにしたのだ。外せるわけがない。

 物凄い足音が聞こえたかと思うと、先生と美沙が駆け込んでくる。

「ねぇ……私何か変なの?」

「ちょっと調べさせてね」

 先生はそういい、優香のパジャマの上から聴診器を当てる。

「ハイ、吸ってー。吐いてー」


< 227 / 246 >

この作品をシェア

pagetop