キミが居た病院
「じゃあなんで私イトちゃんの事知ってるの!?」
「私も初め‘イトちゃん’って呼ばれてビックリした。確かに五十嵐さんには、返事が無くてもよく話しかけてたし……」
‘それに最初の頃、イトちゃんって呼ばれてるって自己紹介したけど’なんて彼女は付け足した。
「変だよ……絶対変……」
「なんか奇跡みたいだね~? でも、目が覚めてくれて本当に良かった」
それじゃあ、あの出来事は全部夢だっただろうか?
優香はベッドサイドテーブルに置かれた携帯を手に取り、着信履歴やメールの送受信を確認する。