キミが居た病院
「それじゃ五十嵐さん、体温測ってくれるかな?」
「はーい」
五十嵐さんと言うのは私、五十嵐優香の事だ。
ここの病院に入院してきたのはつい数ヶ月前で、最初は大部屋だったのが最近になって個室になった。
どうやら感染するかもしれない病気らしい。
元々体が弱く、ある日の検査で異常が見つかってそのまま入院という形になってしまった。
私はまだ未成年だから検査の詳しいこととか、病気の事などは教えてもらっていない。
個室という事もあり、余計に寂しさや不安が増しているのに――
良い事といえば……部屋を自分好みに少しだけカスタマイズできる事、くらいかな?