キミが居た病院

「静かで、誰も居なくて、壊れそう」

 誰に言うでもなく、優香はボソッと呟いた。

 急に怖くなってテレビをつける。
 
 大好きならーめんの特集をしていたにも関わらず、優香の頭には何も入ってこなかった。
 
 左耳から入って右耳から抜ける。

 まさしくその言葉がぴったりなのかもしれない。

 ――トントン


 ノックの後、ゆっくりと扉が開く。

 そこにはいつもの配膳係りのおばちゃんが居た。


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