キミが居た病院


 ――途端に恐怖が蘇る。

 口に手を当てると、震えているのが分かった。

「五十嵐さん?」

「やだ!! 隠して!! 鏡なんていらないの!!」

 顔を覆い隠し、突然大きな声を出して取り乱した優香に、美沙はびっくりしたに違いない。

 ふいに肩に優しく手を置かれた。

「どうしたの? 何かあるなら言ってみて?」

 なんて言っていいかわからず、ゆっくりと顔を上げた。

 美沙の向こう側に見える鏡は見ないようにして――

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