キミが居た病院

 その人物はゆっくりと近付いてくる。

 優しい表情に、胸が熱くなるのが分かった。


 ――私この人知ってる。

 だってこの人は……


 そこで目が覚めた。

「まぶたが重い」

 上体を起こし、時計を見ると、あれから三時間経っていた。

 ふと思い出し意を決して鏡を確認すると、美沙がやってくれたのだろう。

 青い布の切れ端の様な物で鏡が隠されていた。



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