もし空兎に恋をしてしまったら…
序章

♪運命なんだなと諦める瞬間1分前♪

誰もいない駅のホームにたたずむ女性

手には、黒いケータイ

「…来らお昼とお洋服とバッグとそれからそれから……。全部おごらせてやる」

頬を軽く膨らませて、小声で呟く。誰もいないと小声でも目立って聞こえるあたりが恥ずかしい。


そんな事思っていると、ホームに電車が流れ込んで来た。

「やっと、来たー」


同時になるケータイ


「ん?」


首を傾げながら通話ボタンを押す。
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