マスカラ〜年下男子の甘い秘密〜[完]
雪に紛れて
帰りの電車の中でも何かを考えるように一点を見つめる蓮に声をかける事も出来なかった

電車を降りてもずっと手を繋いでいてポケットの中に暖かく収まっている

「やっぱりさ…あの写真は止めよ?もう充分でしょ、帰ったら捨てよ?」
アパートまでの道を歩いている時突然立ち止まった蓮が言う

顔を上げてみると私より蓮の方が泣きそうだった

『うん…』
蓮を見つめるとぎゅっと片手で頭を引き寄せられてすぐ目の前が蓮の胸だった

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