「俺とキスしてみない?」
重い瞼を開けば、
カイト君の顔が目の前にあって。
「ぁ」
何故かは解らないけど
心の何処かで嬉しい自分と
あのキスシーンが忘れられない、
哀しい自分が居た。
「彼女さんは、
どうしたの?
他の女と一緒だなんて
彼女さん悲しむし、
あたしのせいで
別れるなんて、やだよ?」
自分が言ってる癖に
悲しんでる自分、
辛いなんて思う自分、
答えを聴きたくないという自分、
ねぇ。
これは何?
こんな事辛くないよね、
哀しくないよね、
あたし遂におかしくなったのかな?