狼執事とお嬢様♡~ある日の狼~
そうして生活をすること、数年……
俺は高校1年の春を迎えようとしていた…
“凛城家のお嬢様に仕えてもらう”
そんな話を、不意に出された。
『凛城…ですか…?』
「あぁ、ボロのないよう、気をつけろ。
君の他に、2人執事がつくようだ。
その2人とも、仲良くするといいさ。」
最後の言葉は、どうせ心にもないことだろう?
この男は思ってないことの言葉が分かりやすい。
『はい…。』
それと。
と、接続語を入れて男は続けた…
「この仕事が入ったと同時に、君はもう自由だ…。
私と顔をあわせることも、ここにくることもなくなる…。
お金は、直接君の口座に振り込まれるだろう…。
学費、生活費。これからは自分で負担をするんだ。
さぁ、出口は向こうだ……
さようなら、矢野君。」
俺はコレを最後に、この男とは一切会っていない…。
別に、悲しくも、寂しくはない…。