ただ あなただけ・・・
朝目覚めると、五十嵐の顔が目の前にあった。すでに起きていたらしく、バスローブからワイシャツに着替えていた。
「いつから起きていたんですか?起こしてもらえれば良かったのに」
頬を膨らませながら起き上がり、バスルームに向かった。
鏡に映った自分を見て驚いた。
いつの間に泣いていたのか、目は腫れて化粧も落ちている。髪もぐしゃぐしゃで哀れな姿だ。
「うわぁ・・・ひどい・・・」
幸い今日は日曜日。家に帰って一眠りしよう、と考えていたら頭の上で声がした。
「これから予定は?」
「家に帰ります・・・」
五十嵐は用意が出来たら出る、と言いバスルームを出た。