ただ あなただけ・・・
第二章
「・・・んぁあ・・・今週も今日で終わりかぁ」
「あと半日でしょ?ほら、頑張って」
私の隣では、同僚の神埼 みちるが伸びている。時計を見ると、あと10分ほどで昼休みになる。
――土曜日かぁ。明日は休みだし、DVDでも借りて見ようかなぁ――
私はふと思い出した。もう・・・あの日から一週間経つことを。
――そういえば連絡も取ってない。あの日電話した以来――
・・・・ホテルからまっすぐ私のマンションに向かった。とくに話をしたわけでもない。
車内に流れる洋楽を聞きながら、今の状態を整理していた。
彼氏→浮気→別れない→やけ酒→五十嵐さん登場→浮気相手→お泊り→車で送り。
まるで私が悪者みたい・・・まだ聡志の顔がちらつく。あんなに悲しそうな瞳で見られると、悪い事をしたのは自分だと思ってしまう。
キィィ・・・車が止まった。あらかじめマンションの場所は説明しておいたので、難無く着いたのだろう。
「お茶でもどうですか?なんのおかまいもできないんですけど・・・」
シートベルトを外しながら五十嵐の顔をうかがう。彼は私の頭を撫でながら、残念そうな顔をした。