ただ あなただけ・・・

「はや・・とさ・・っ!」


痛みは無かったが、驚き声が出ない。


離れようとしたが、壁と隼人に挟まれていたので身動きが取れない。


「・・・ん」


唇に隼人さんの指が触れる。優しくなぞるように。


私の行き場の無かった手が隼人さんの胸元を掴む。


「・・や・・止めて下さい・・・」


震えた声。隼人はその声を聞くと、ゆっくりと指を離した。






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