揺れる
 耳に入っていた無機質な雑音はいつの間にか途切れ、私は無を感じた。



 飛び降りたら楽になれる。



 手首なんか切ってないでさっさと飛び降りればよかった。



 そんな後悔を抱きつつも手を柵から離し、私は目を閉じた。



 あとはこのまま前に体を傾けるだけ。



 風に身を任せるようにゆっくりと体を預けた。



 生きてるってなに?



―・・





―おわり(この結末はお一人お一人に委ねます)―
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