結局誰よりキミが好き
「綾はもう恋とかしないの?」
「うん俊輝を忘れるなんて無理だから!
それに赤ちゃん育てるので大変だし
恋なんか出来ないよ!
伊織は祐輔君と頑張ってね!」
伊織は目に涙を浮かべて
笑顔で頷いた
「綾強いね~」
伊織は頭を撫でてくれた
こんなことされると
また俊輝を思い出してしまう
「ありがとう」
私は笑顔を向けた
「よっ!」
上を向くと斗馬が居た
「おはよ、斗馬」
斗馬はもう普通に接してくれる
きっと俊輝が居なくて結構
つまらないのかも知れない
「斗馬ってなにげに俊輝ラブでしょ?」
私は笑いながら斗馬に言った
「そんなんじゃないよ!
いじめるやつがいなくて
つまんねーだけだよ」
「やっぱりね~」
私と伊織は二人で爆笑した
キーンコーン―――・・・
チャイムが鳴り響いて伊織は教室を出た
私は机にへばり付いてペンを持った
ノートを取り出して
俊輝のことを考えながら
【佐山 俊輝】と書いた
これが最近の癖
「また書いてんの?」
斗馬は隣の席でいつも私を見ている
「うん・・・ついね・・・」
斗馬は私をじっと見つめてきた