結局誰よりキミが好き
「寂しくなるなあ・・・」
「頑張れよ!」
「元気でね!」
「会いにきてね!」
たくさんの先生の声に感動した
そして私はまた一礼して
担任の先生と教室へ行った
「片山も佐山もみんな一緒に
卒業したかったなあ・・・」
「はい」
私は一段一段階段を上りながら
今までの思い出を振り返って行った
「みんなにはこのこと言ってるのか?」
「伊織と繭だけに言ってます」
「そうか・・・」
先生といろんな話をしながら
私はとうとう教室の前まで来た
先生は扉を開けて
私に手招きをした
「今日はみんなに哀しいお知らせがある」
私は教卓の横に立ち
ざわめくみんなの顔を一人ずつ見ていった
「実は今日で片山綾がここの学校を退学する」
「えっ!?」
みんなの声が痛かった
もうすでに涙が溢れてきた
「片山のお腹には子供がいる
その子を産むためにここを退学する」
私は下を向いた
「片山、最後に一言・・・」
今言葉を出したら
きっと泣いてしまう
「・・・私このクラスでほんとよかったです・・・
きっとご存知だと・・・想いますが・・・
この子は佐山俊輝との子です・・・・・・
俊輝はもういないけど・・・頑張って
育てていきます・・・
今まで・・・ありがと・・・」
私は泣いてしまった