結局誰よりキミが好き

私は染めて金色になった髪を

風になびかせて

正門に張ってあるクラス表を見た

「知らない名前ばっか…」

私は自分の名前だけを確認して

そのクラスに向かった

きっと同じ中学校だった新入生はいない

私はうるさい教室に足を踏み入れた



片山 綾

と書かれた席に座った

私は買ってもらったばかりの

ケータイをいじっていた

いじめられてて友達も少ない私の

ケータイに着信が入ってるわけもない

けど誰かが見てるかもしれないと考えると

私はメールを返信してるフリをした



「誰に連絡してんの?」

後ろの方から声がした

きっと私なんかじゃない

私はずっとケータイのボタンをいじっていた

「ねえねえ」

声と同時に私の肩に2度叩かれた感触がした

私は後ろを振り向いた



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