結局誰よりキミが好き

俺はずっと綾を見ていた

するといきなり

綾が目を覚ました

目尻をかいて俺を見た

俺は咄嗟に寝てるフリをした

綾が見てるのが分かる

「私、寝てたんだ・・・
 俊輝も寝ちゃってる・・・」

綾は俺の顔を触った

「ねぇ俊輝・・・?」

綾が話しかけてる

俺は全身を耳にして綾の言葉を待っていた

「俊輝は・・・私の事スキ?」

スキだ!

俺は言いたかったけど

綾の次の言葉も聴きたかった

「私はね・・・俊輝が大好きだよ」

知ってる

言わなくても分かってる

でもすげえ嬉しかった

「本当は軽蔑したよね・・・」

綾はまた泣いてしまうんじゃねえかな・・・

俺は不安で少し目を開けた

「いじめられてた子となんて
 付き合ってたら恥だよね・・・
 でもね、俊輝のさっきの言葉
 私すごく嬉しかったんだ・・・
 やっぱり私・・・俊輝が大好きだよ」

綾の泣きそうな声に感動した

「俊輝が彼氏なんて本当もったいないよ」

その言葉俺の方だよ・・・

綾が・・・こんなかわいい綾が

俺の彼女なんてまだ信じれねえ・・・

「俊輝・・・愛してる」

綾のやわらかい唇が何度もあたる



< 67 / 138 >

この作品をシェア

pagetop