結局誰よりキミが好き
俊輝は白い服を着た男の人に
運ばれてタンカに乗せられた
「大丈夫ですかっ!?」
男の人の声が聞こえて少し上を向いた
「あ・・・」
私もタンカらしきものに乗せられて
真っ白くて色々道具がある車内に運ばれた
「・・・俊輝・・・は?」
私は蚊が鳴くような声で呟いた
「まだ意識がある!!
至急病院へ運べ!!」
聞こえるはずもなく
私は薄れていく記憶の中目を閉じた
何時間寝たんだろう
何時間も寝てた感じで
私は静に目を開いた
「あ~!お母さん!
綾が・・・起きたよ!!」
聞き覚えのある声
・・・お姉ちゃんだ
「あっ!綾~!!!!!」
お母さん・・・
お母さんは私に抱きついてきた
「一週間も起きないから
ほんとに心配したんだよ・・・・・・」
ぼやけて写るお姉ちゃんの顔から
一粒の涙が落ちていくのが見えた
「・・・おねえちゃん・・・」
私は言葉を発した
体のあちこちが急激に痛んできた
「・・・痛い・・・っ」
私はあまりの痛さに目をつぶった
「手術したんだよ」