あなたなんか愛さない


「待ってくださぁい!」


その声のしたほうを見ると・・・


「あの、どちら様でしょうかぁ 勝手に入っちゃだめですよぉー」

のんびりした口調・・・というか甘ったるい口調

キレイ系というよりは可愛い系の人がいた


「あら、ちゃんと許可は取ったはずなんですが・・・」

「え?あの、失礼ですがお名前はぁ?」


あ、私を知らなかったのね


「申し遅れました。 私は一ノ瀬玲と申します」

私が名乗ると、その女性は少し青くなったように感じたわ


「すすすすすみませぇん! まさか社長夫人だったなんてぇ・・・」

ぺこぺこと頭を下げる彼女はとても悪い人には見えなかった


「あ、気にしないで下さい。誰にでもあることですから」

笑ってそう言った玲を見て安心したのか

「ふぇなぁ~ よかったですぅ」

にへらと笑った


< 138 / 152 >

この作品をシェア

pagetop