結婚事情
私もマッコリを一口飲む。

「ん、まぁね。順調といえば順調なのかもしれないけど、そうでないと言えばそうでもないかも。」

「なんじゃ、それ。」

タツヤは間髪入れずに突っ込んできた。

「そういう言い方をする時は、順調とは言えない時じゃないの?」

タツヤは視線をそらして、皮肉っぽく笑った。

「二人の関係は特に問題ないのよ。これは本当。」

「ふうん。」

タツヤは前を向いたままほおづえをついた。

「だけどさ。私の気持ちが、このまま結婚に踏み出せるかと言えばそうではないわけ。」

「関係がいいのに、気持ちがいまいちのらないって、他に気になる男でもいんのかよ。」

タツヤはちらっと私に視線を向けた。

その視線から思わず目をそらす。

どうして、そうずけずけと容赦ない言葉をかけてこれるもんなのかしら。

このままだと、完全にタツヤのペースにはまっちゃうわ。

「気になる男性がいたとしたら?」

思わず、タツヤに権勢をかけた。

「何?ひょっとして、まだ元彼ひきずってるとか言わないでよ。」

タツヤは、苦笑しながら、視線をそらした。

私は笑わずに言った。

「元彼なんかとっくに忘れたよ。」

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