結婚事情
タツヤはふざけた表情で言った。
「じゃ、俺だろ?ねーさんが気になる相手ってさ。」
不覚にも顔が熱くなる。
コップに3分の1ほどのマッコリをぐいと飲み干した。
「だとしたら?」
タツヤの表情が途端に緊張したのがわかった。
「だとしたら?・・・って言われてもさ。」
タツヤは手元に視線を落とす。
「もし、仮に今の言葉が冗談じゃなくてもさ、フィアンセのいる身でそんなこと言ってくるのって卑怯じゃない?」
「卑怯?」
「全く対等じゃない。俺がねーさんにどういう返事をしても、ねーさんが有利。」
「よくわかんないんだけど。」
「片手にフィアンセ掴みながら、『好きだ』って言われてるようなもんだぜ。本気だったら、フィアンセを手放してから言うんじゃない?普通。」
なんだかくやしかった。
そんなんじゃないのに。
そんな気持ちじゃないのに。
ただ、私はどうしていいかわからなくて。
それで。
でも。
タツヤの言ってることに完全に否定できない自分がいた。
そう、最初からわかっていたこと。
タツヤにはそれでも通用すると思っていた私が浅はかだった。
「じゃ、俺だろ?ねーさんが気になる相手ってさ。」
不覚にも顔が熱くなる。
コップに3分の1ほどのマッコリをぐいと飲み干した。
「だとしたら?」
タツヤの表情が途端に緊張したのがわかった。
「だとしたら?・・・って言われてもさ。」
タツヤは手元に視線を落とす。
「もし、仮に今の言葉が冗談じゃなくてもさ、フィアンセのいる身でそんなこと言ってくるのって卑怯じゃない?」
「卑怯?」
「全く対等じゃない。俺がねーさんにどういう返事をしても、ねーさんが有利。」
「よくわかんないんだけど。」
「片手にフィアンセ掴みながら、『好きだ』って言われてるようなもんだぜ。本気だったら、フィアンセを手放してから言うんじゃない?普通。」
なんだかくやしかった。
そんなんじゃないのに。
そんな気持ちじゃないのに。
ただ、私はどうしていいかわからなくて。
それで。
でも。
タツヤの言ってることに完全に否定できない自分がいた。
そう、最初からわかっていたこと。
タツヤにはそれでも通用すると思っていた私が浅はかだった。