結婚事情
タツヤはしばらく私の顔を無言で見つめた。

それから視線を落として言った。

「なんだよ、それ。」

マッコリを勢いよく飲んでしまったせいなのか、これからタツヤに自分が答えを得ようとしてることに緊張しているのか、

久しぶりに心臓が大きく鼓動を打っていた。

「タツヤはその後どうなの?例の彼女と別れてから、何か変化はあった?」

「俺の変化が、ねーさんの結婚の迷いを払拭させることになるわけ?」

逆に切り替えされる。

「うん。」

静かにうなずく。

「意味わかんないんだけど。さっきから、何が言いたいの?俺、そういうもたもたしたのすごく嫌いなんだけど。」

嫌い・・・

タツヤには何度となく「嫌い」「好きじゃない」って言われてるような気がするんだけど。

ナオとは違う、明確な言動、そして、明確さを求めるところは、若さゆえなんだろうか。

でも、いつもタツヤのそういう言葉が私の胸を鋭く突き刺す。

それは、もっともなことを言ってると私も感じるから。

ふぅ。

直接聞いてみるか・・・。

「じゃ、単刀直入に言うね。」

「おう。」

いざ、こちらからけしかけると、途端に緊張した顔になるタツヤ。

心の中で少しだけ笑った。


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