結婚事情
なんとなくまぶしいような気がしてゆっくりと目を開ける。

朝日が窓からきらきらと差し込んでいた。

時計を見ると、朝の7時だった。

少しでも睡眠がとれたことに安堵する。

これで少しは肌つやもいいはず?!


身支度を調えて、少し早いチェックアウトを済ませた。

朝ご飯は、朝マック。

朝マックなんて何年ぶりだろう。

香ばしいコーヒーの香りに癒される。

ただ、そんな香りに癒されながらも、幸せにひたるほどの余裕は今の私にはなかった。

いつもの半分くらいの朝ご飯でお腹がいっぱいになる。

まだ早いよなぁと思いながらも、タツヤの実家に向かうべく電車に乗り込んだ。


見慣れない風景が窓の外を流れていく。

穏やかな緑と青い空がまぶしい。

タツヤはこんな場所で生まれ育ったんだね。

それだけのことなのに、妙な孤独感。

知らない場所、知らない人たち、知らない過去。

知ってるのは、つい最近までのタツヤだけ。


タツヤ、とにかくあなたに早く会いたい。

不安で押しつぶされそうな気持ちを必死に持ち起こしながら、タツヤの実家がある駅に降り立った。
< 203 / 215 >

この作品をシェア

pagetop