結婚事情
時計を見ると9時半。

まだ9時半?

いくらなんでも、早すぎるよね。

タツヤも、寝てるかもしれない。

せめて10時までは我慢しなくちゃ。

駅前の公園までぶらぶらと歩いてみた。

さすがに土曜の朝とあって、人気はまだ少なかった。

ベンチに座ってみる。


ひんやりとした風が頬をなでた。

こんなにも30分という時間が長く感じることは、今まであっただろうか。

仕事してたら、30分なんてあっという間。

足りないくらいの時間なのに。


携帯を開いてみる。

あ、メールが入ってた。

ミユからだった。

『おはよ!どう?しっかりタツヤさんと話しておいでね。いつでも電話待ってるから』

ふふ。

いつもありがとね。

ミユのメールを見て、少し気分が和らいだ。

ミユに返信を打って、しばらくすると10時になっていた。
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