結婚事情
7章 選択
その後、どんよりとした気持ちで通った会社も、なんとか一週間をやり過ごした。

身近な友達とうまくいっていない時が一番辛い。

嫌でも顔を合わす更衣室。

さすがにお昼休みは、なんとなく一緒に食べるのがお互い気がひけたのか、別々の友達と食べに出た。

私にとっては大切な友達の一人でもあるアユミと、こんな風に気まずくなってしまうのは悲しい。

一刻も早く、その解決策を導き出したくて、その週末ミユの家を訪ねた。

ミユは結婚して隣の県に住んでいた。

見慣れない景色を電車の窓から眺めながら、少しずつ気持ちが癒されていく。

時には、こうやって普段行かない場所に向かうことは、自分をリセットできていいかもしれない。

何年ぶりだろ?

ミユの家にお邪魔するのは。

ミユは三年前に結婚して、ちょうど妊娠している頃に会ったっきりだったから、かれこれ2年半近くのご無沙汰だ。

ミユとは学生時代からの親友。

いつも優柔不断な私に喝を入れて、最善の選択肢を提示してくれる大切な存在だった。

電話で今回の話を相談したら、すぐに「週末うちにおいで!」と言ってくれた。

ミユの子供はまだ二歳で、大変な時なのに・・・。

持つべきものはやはり素敵な友達だとあらためて思う。
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