この美しき世界で
2、草の町『リフス』
戦士の町『バサク』陥落の報告から、一年の月日が流れた。


話は瞬く間に『ザウド』全域に伝わり、魔族との休戦協定は完全に消え失せる。


どこからか『ザウド』領内へ入りこんだ下級魔族は各地で暴れまわり、戦う力を捨てた人間族は混乱に陥っていた。


堕落しきっていた『ザウド』は魔族の討伐や町の防衛を主とした連合軍を新たに招集。魔族に対抗しようとした。


だが『ザウド』は広大な地。国軍だけで対処しきれるものではない。


そこで組織されたのが『ギルド』。


民間の企業により組織されたそれは、連合が関与出来ない様々な問題の依頼を受けた。


戦う術を持たない者は金銭、または宝物などを依頼資金とし、力を持つ者を頼った。


結果、そこには沢山の人間が集まる。


事情から国軍に入隊出来ない者。国を嫌う者。金が欲しい、宝物が欲しい者。


理由は様々だが屈強な力を持つ者が集まったのは確かだった。


人々にとって『ギルド』はいつの間にかなくてはならない、必要不可欠な存在になり異常な迄のスピード各地にその支部を増やしていく。


そしてこの、草の町『リフス』の『ギルド』でも。


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