この美しき世界で
命からがら逃げ込んだ『リフス』。この町が育てた天然の薬草は非常に効果が高く、驚くべき早さで二人の傷を癒してくれた。


こんな町だからこそか。冒険者も多い気がした。ギルドでの依頼も危険度高いものから低いものまでまんべんない。


冒険初心者の二人にはもってこいの場所だったわけだ。


「あ、セロちゃん。新しい依頼書もらってきたぜー。危険度Dの共同任務。」

「危険度D?リフスにしちゃ危険度が高いな。」


宿に着いたら話そうかと、ナツは依頼書をひらひらとセロに見せる。


危険度とはギルドが定めているその依頼に対する『生還確率』を元にしたクラス分けのようなものだ。


幾つかのクラスの中で、最も危険度の高いのがS、低いのがG。


ギルドの任務は様々に分類され、『生きて帰れる可能性』が低ければ低いほどそのクラスも報酬も跳ね上がる。


まだ魔族の少ない『リフス』では大体Eクラス位迄の依頼が多い。


セロが請け負ったオーク討伐などはFクラスに分類されていた。


彼ら二人ではまだDクラス迄しか請けることが出来ない。


高いクラスの依頼であればあるほどギルドに対しての貢献と実績が必要になるからだ。


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