この美しき世界で
能力が高いということは戦いに慣れているのか。


それともただ単に身体能力が以前のオークとは違うのか。


魔族には、姿形は似通っていても下級から上級までその種別は様々だ。古文書を紐解いても未だ解明されていないことの方が多い。


次にわかったのは先導する魔族のこと。といってもそれは極めて限定的なもので、魔法を使うということぐらいであった。


最後は報酬の話。共同任務ということもあり、報酬自体は安いかと思いきや。そうでもないようだ。


やはりDクラスの依頼ということか。Eクラスの数倍、成功すれば二ヶ月は食うに困らないだろう。


それだけ『リフス』が魔族を脅威に感じている証拠でもある。


依頼に科せられた条件は二つ。魔族を町まで侵入させないこと。そして出来うる限り、『リフス』の自然を壊さないことだった。


自然を壊さないなどとこの状況で馬鹿なことを。そう思うかもしれない。


だが自然と共に生きるこの町にとって、それは対価を払ってでも守るべき宝なのだ。


「無理を言って…申し訳なく思います。」


町長は冒険者たちに深々と頭を下げる。彼らは最後まで黙って町長の話に耳を傾けていた。


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