この美しき世界で
『リフス』防衛戦。死者５名、重軽傷者８名。町の被害０。


魔族の侵攻を受けたこの町の戦いは三人の冒険者の活躍により見事に退けられることとなる。





「いやー報酬弾んでもらったな。これで武器が新調出来るぜー。」


『リフス』の宿。黒く焦げたハルバートをくるくると回しながらナツが白い歯を見せて笑う。


「そうだな。しばらくは生活にも困らないだろ。」


対してセロはごろりとベッドに横になり退屈そうに欠伸を繰り返していた。


あれから二日が経つ。報酬も貰いそろそろ他の町にでも向かいたい彼らだったが思わぬ足止めを受けていた。


一つは『ギルド』クラスの変更。『リフス』防衛戦の功績が認められ二人はＣクラスまでの依頼が受けられるようになった。


しかしそれには『ギルド』本部から送られてくるクラス変更の通達を受け取らねばならず、それにはおよそ一週間ほどの時間を必要とするらしい。


もう一つは彼女。女魔導士の存在。戦いの終わりと共に気を失った彼女はまだ目を覚ましていない。


町医者の診断によれば魔力の使いすぎによる精神負荷が原因だということだが。


何も言わずに去る訳にもいかないだろう。


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