この美しき世界で
彼女が目を覚ましたのは其から更に二日がたってからのことだった。


昼食をとっていた二人の元に現れた彼女はすっかり回復した様子で。


彼らに突然の提案をたたき付けた。


「はぁ?仲間にしろだぁー?」


ナツが口に含んでいた料理を散らかしながら驚く。


「汚い。ナツ。汚い。」


セロは慌てる様子もなく自分の料理を避難させているが視線だけはしっかりと彼女を捉えていた。


「そ。あんた達の仲間にして欲しいの。」


断ることもなく椅子に腰を下ろしながら彼女は不敵に微笑む。
提案する側の癖にやたらと態度が大きいのは生まれもった性格なのだろう。


「私は一流の魔法使いだけど。流石に一人旅は厳しいのよ。強い魔族も増えてるしね。」


それに。と彼女は付け加える。


「如何にあんた達が優れた戦士でも今回みたいに相手が魔法を使う相手なら分が悪いはずよ。」

「どう?悪い話じゃないと思うけど。」


冒険者としてもパーティーを確立させた方が動きやすいでしょ。と更に付け加え彼女はまた微笑む。


どうやら彼女の中に断られるという選択肢は存在しないらしい。


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