この美しき世界で
「まぁな。黒の森の近くにゃプロスがあるし。それに親父達がいる。そこっ!」
「バサクの戦士にプロスの鉄壁要塞。魔族も迂濶に手を出せねーさ。甘いっ!」
『プロス』。『黒の森』の近くにそびえる要塞都市。そこでは常に魔族の監視が行われ、街の火が途絶えることはない。
『バサク族』の戦士に若い男しかいないのもそれが理由だ。
『バサク族』の戦士はある時期がくると『プロス』へと旅立っていく。
セロやナツの父親も『プロス』にいる。
人間族を守る為。そうやって『ザウド』の平和は保たれてきた。
「でもな。噂なんだけどよ。」
ナツが打ち合いから一旦間合いをあけ、息を整える。
「移動魔法を使った魔族がもうザウドに侵入してるって話だ。近くで下級ドラゴンを見たって奴もいる。」
「黒の森には結界があるだろ。」
「その結界も薄れて下級魔族ぐらいなら自由に侵入出来てるんだとさ。」
あくまで噂だけどな。そう付け加えるとナツは再びセロに飛びかかった。
日が暮れ、訓練が終わる。結局セロに打ち負かされたナツが悔しいとだだをこねる姿を笑いながら、戦士たちはそれぞれ家に帰っていく。
「バサクの戦士にプロスの鉄壁要塞。魔族も迂濶に手を出せねーさ。甘いっ!」
『プロス』。『黒の森』の近くにそびえる要塞都市。そこでは常に魔族の監視が行われ、街の火が途絶えることはない。
『バサク族』の戦士に若い男しかいないのもそれが理由だ。
『バサク族』の戦士はある時期がくると『プロス』へと旅立っていく。
セロやナツの父親も『プロス』にいる。
人間族を守る為。そうやって『ザウド』の平和は保たれてきた。
「でもな。噂なんだけどよ。」
ナツが打ち合いから一旦間合いをあけ、息を整える。
「移動魔法を使った魔族がもうザウドに侵入してるって話だ。近くで下級ドラゴンを見たって奴もいる。」
「黒の森には結界があるだろ。」
「その結界も薄れて下級魔族ぐらいなら自由に侵入出来てるんだとさ。」
あくまで噂だけどな。そう付け加えるとナツは再びセロに飛びかかった。
日が暮れ、訓練が終わる。結局セロに打ち負かされたナツが悔しいとだだをこねる姿を笑いながら、戦士たちはそれぞれ家に帰っていく。