この美しき世界で

｢本当に申し訳ない！｣


気絶した男が回復するまではそうかからなかった。気がついた男にシンシアが粗方の事情を説明。


今更のように駆けつけた町の保安官に彼らが撃退していたのは町で札付きの悪党だったと男は清々しいまでの土下座を見せた。


｢いやーすまんすまん。つい先走ってな。｣


やれやれと溜め息をつく三人。ナツに関していえば今にも再戦を申し込みそうな勢いであるが。


｢お詫びに町でうまいもんでも振る舞おう！なっ！そうだそうしよう！｣


反省の態度はどこへやら、豪快に笑う男。さぁさぁと道案内を始めようとする。


｢ああ。そういえば自己紹介がまだだったな。俺はシド。職業は…｣


なんともマイペースな男である。強引に飯に連れていこうとしたかと思えば今度は自己紹介を始めた。


流石のナツも毒気を抜かれたのか呆けたようにシドを見つめている。


｢僧侶だ。｣

『は？』


その後に放った言葉こそ本当に彼らを驚かせたものだが。