この美しき世界で
「戦争か。」
訓練場で沈み行く夕陽をナツと二人眺めながらセロが呟く。
「平和ボケした今のザウドが勝てるのかね。」
「さぁ…な。」
『千年戦争』が終わり五百年余り。確かに『ザウド』は平和に溺れていた。
武力を捨て金に走る国。廃れていく魔法。大戦士、大魔法使いなんて今では過去の産物だ。
強力な力を持つ魔族に今の人間族がどれだけ対抗出来るのだろうか。
今の自分達がどれだけ通用するのだろうか。一抹の不安が二人をよぎっていく。
「あと10年もたてば俺もお前もプロスだ。嫌でも前線に立つことになる。」
「セロちゃんと俺が前線か。考えたくないね。」
ため息をついてナツは体についた埃を払う。
「俺は今の平和な暮らしがいつまでも続けばいいと思うよ。…んじゃ、また明日な。」
ひらひらと手を振りながら家路についたナツの背中を、彼もまた同じ気持ちで見送っていた。
「だよ、なぁ。」
訓練場で沈み行く夕陽をナツと二人眺めながらセロが呟く。
「平和ボケした今のザウドが勝てるのかね。」
「さぁ…な。」
『千年戦争』が終わり五百年余り。確かに『ザウド』は平和に溺れていた。
武力を捨て金に走る国。廃れていく魔法。大戦士、大魔法使いなんて今では過去の産物だ。
強力な力を持つ魔族に今の人間族がどれだけ対抗出来るのだろうか。
今の自分達がどれだけ通用するのだろうか。一抹の不安が二人をよぎっていく。
「あと10年もたてば俺もお前もプロスだ。嫌でも前線に立つことになる。」
「セロちゃんと俺が前線か。考えたくないね。」
ため息をついてナツは体についた埃を払う。
「俺は今の平和な暮らしがいつまでも続けばいいと思うよ。…んじゃ、また明日な。」
ひらひらと手を振りながら家路についたナツの背中を、彼もまた同じ気持ちで見送っていた。
「だよ、なぁ。」